最近注目を集めつつある『国際バカロレア(IB)』
日本でも、その内容を取り入れる学校が増えてきており、また文部科学省も今後200校まで増やしていくことを視野に活動をしています。以下は文部科学省のウェブサイトからの抜粋記事です。http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/ib/index.htm
カナダのセカンダリースクールでも、開講している学校が多数あります。こちらにて実施学校の詳細や入学方法などをご案内しています。詳細はお問い合わせください。
(写真はIBコースを開講している、ビクトリア郊外のボーディングスクール ブルックスシャウニガンレイクです。)
1. 国際バカロレアとは
1.国際バカロレア(IB)について
国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラム。
国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)は、1968年、チャレンジに満ちた総合的な教育プログラムとして、世界の複雑さを理解して、そのことに対処できる生徒を育成し、生徒に対し、未来へ責任ある行動をとるための態度とスキルを身に付けさせるとともに、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルートを確保することを目的として設置。
現在、認定校に対する共通カリキュラムの作成や、世界共通の国際バカロレア試験、国際バカロレア資格の授与等を実施。
2.IBのプログラムについて
国際的な視野を持った人材を育成するため、生徒の年齢に応じて、以下の教育プログラムを提供。
平成28年12月1日現在、世界140以上の国・地域、4,677校において実施。
- プライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP) 【1,463校 (国内:21校)】 3歳~12歳を対象として、精神と身体の両方を発達させることを重視したプログラム。どのような言語でも提供可能。1997年設置。
- ミドル・イヤーズ・プログラム(MYP) 【1,337校 (国内:11校)】 11歳~16歳を対象として、青少年に、これまでの学習と社会のつながりを学ばせるプログラム。どのような言語でも提供可能。1994年設置。
- ディプロマ・プログラム(DP) 【3,107校 (国内:28校)】 16歳~19歳を対象としたプログラムであり、所定のカリキュラムを2年間履修し、最終試験を経て所定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)が取得可能。原則として、英語、フランス語又はスペイン語で実施。 1969年設置。
- キャリア関連プログラム(CP) 【131校(国内:-校)】16~19歳を対象として生涯のキャリア形成に役立つスキルの習得を重視した、キャリア教育・職業教育に関連したプログラム。一部科目は英語、フランス語又はスペイン語で実施。2012年設置。
2. 国際バカロレアの理念
国際バカロレアの理念は、一貫した国際教育の観点から、「IBの使命」や「IBの学習者像」として示されている。
(1)IBの使命(The IB mission)
「IBの使命」は以下のとおりであり、国際教育プログラムを推進し、発展させることの総体的な目的が示されている。「国際バカロレア(IB)は、多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的としています。
この目的のため、IBは、学校や政府、国際機関と協力しながら、チャレンジに満ちた国際教育プログラムと厳格な評価の仕組みの開発に取り組んでいます。
IBのプログラムは、世界各地で学ぶ児童生徒に、人がもつ違いを違いとして理解し、自分と異なる考えの人々にもそれぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人として、積極的に、そして共感する心をもって生涯にわたって学び続けるよう働きかけています。」
このようにIBプログラムでは、「国際的な視野」をより明確な言葉で定義づける試みと、実践を通じてその理想に近づこうとする努力を、IB認定校の使命の中心として位置づけている。
(2)IBの学習者像(The IB Learner Profile)
「IBの学習者像」は、「IBの使命」を具体化したもので、「国際的な視野をもつとはどういうことか」という問いに対するIBの答えの中核を担っている。具体的には、IB認定校が価値を置く人間性を、以下10の人物像として表している(各学習者像の具体的な内容は、以下リンク先を参照)。
- 探求する人
- 知識のある人
- 考える人
- コミュニケーションができる人
- 信念をもつ人
- 心を開く人
- 思いやりのある人
- 挑戦する人
- バランスのとれた人
- 振り返りができる人
3. 国際バカロレアのプログラム
IBプログラムは、アイデンティティー形成期にある年齢の児童生徒の発達ニーズとともに、学校が地域から求められる教育的要件、文化的状況や優先事項にも合わせられるよう、カリキュラムを編成している。
このため、PYPとMYPでは、主にカリキュラムの「枠組み」を提供している。一方、DPでは、世界中の大学への入学資格を生徒に授与することから、所定のカリキュラムが提供され、プログラムの規定が多くなっている。
(1) プライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP)
PYP (Primary Years Programme)は3歳~12歳までを対象としており、精神と身体の両方を発達させることを重視しているプログラムである。どのような言語でも提供可能。
PYPのカリキュラムは、国際教育の文脈において不可欠とされる人間の共通性に基づいた以下の6つの教科横断的なテーマが中心となっている。
- 私たちは誰なのか
- 私たちはどのような時代と場所にいるのか
- 私たちはどのように自分を表現するか
- 世界はどのような仕組みになっているのか
- 私たちは自分たちをどう組織しているのか
- この地球を共有するということ
これらの横断的テーマに取り組みつつ、PYPのカリキュラムでは、以下の6教科を学習する。
- 言語
- 社会
- 算数
- 芸術
- 理科
- 体育(身体・人格・社会性の発達)
(2) ミドル・イヤーズ・プログラム(MYP)
MYP(Middle Years Programme)は11歳~16歳までを対象としており、青少年に、これまでの学習と社会のつながりを学ばせるプログラムである。どのような言語でも提供可能。
MYPでは、以下の8教科を学習する。全ての生徒が5年のプログラム期間にわたってこれらの教科に取り組む。
- 言語A
- 言語B
- 人文科学
- 理科
- 数学
- 芸術
- 体育
- テクノロジー
8教科は従来の教科を越えた「相互作用のエリア」(AOI:areas of interacton)である以下5分野と関連しており、PYPの横断的テーマと似た形で人間の共通性に焦点を当てている。この「相互作用のエリア」は、全教科に共通して適用され、生徒が、各教科を他の教科や実社会とは関連性のないものとして孤立的に捉えるのではなく、教科内容と実社会との関連性に対して認識を高められるよう働きかけることを目的としている。
- 学習の方法(approaches to learning)
- コミュニティーと奉仕活動
- 人間の創造性
- 多様な環境
- 保健教育と社会性の教育
これらを通じて、MYPでは、知識を統合された総体的なものとして示し、生徒がより広く、より複雑なグローバルな課題に対する認識を高めることが期待されている。
(3) ディプロマ・プログラム(DP)
DP(Diploma Programme)は16歳~19歳までを対象としており、所定のカリキュラムを2年間履修し、最終試験を経て所定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)が取得可能なプログラムである。「日本語DP」の対象科目等を除き、英語、フランス語又はスペイン語で実施。
1 DPのカリキュラム
DPのカリキュラムは、以下の6つのグループ(教科)及び「コア」と呼ばれる3つの必修要件から構成される。
生徒は、6つのグループから各教科ずつ選択し、6科目を2年間で学習する。ただし、「芸術」(グループ6)は他のグループからの科目に代えることも可能となっている。
また、大学やその後の職業において必要となる専門分野の知識やスキルを、大学入学前の段階で準備しておく観点から、6科目のうち、3~4科目を上級レベル(HL、各240時間)、その他を標準レベル(SL、各150時間)として学習する。 さらに、カリキュラムの中核となる核(「コア」)として、以下の3つの必修要件を並行して履修する。
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