カナダの医療制度を知ろう!

カナダと日本では医療制度がかなり異なります。例えば日本では、目にできものが出来たら眼科へ、皮膚の調子がおかしい時は皮膚科へ行きますよね。でも、カナダでは眼科や皮膚科のような専門科へ初めから行くことはできないのです。ではどうすればいいのか?

診察を受ける

  1. まず、Walk In Clinic(ウォークインクリニック)と呼ばれる一般診療を行う所へ行きます。この診療所はどこの街にもあちこちにあります。予約を取る所もありますが、たいていはまずクリニックで受付をしてから待つことになります。待ち時間は運がよければすぐに診てもらえますが、風邪の時期などは大変混雑しており数時間待ちは当たり前です。朝9時ごろにオープンするところが大半ですので朝一で行きましょう。遅くに行くとその日の診察はすでにいっぱいで受け付けてくれないことも。
  2. そこで医師に症状を告げます。この医師が眼科や皮膚科の専門医に診てもらうことが必要と判断した場合は紹介状を書き、そちらへ回してくれます。専門家に診てもらうには症状が緊急であればその日のうち、もしくは数日内に可能かもしれませんが、そうでない場合はかなり先の予約となる可能性が高いです。日本のようにすぐに専門医に会うことができる医療システムに慣れている日本人には、この制度はとてもイライラすることが多いです。何かしらの検査が必要だと医師が判断した場合、別の検査機関へ回されます。例えば血液検査が必要な場合、検査のリクエストフォームをくれますのでそれをもって別の場所へ行くことになります。血液検査の結果が出る頃、異常があれば初めに訪れたウォークインクリニックから連絡が入り、再度受診をして医師から結果を聞くことになります。検査の種類によってはクリニックから電話で伝えられることもあります。このように、カナダでは診察も検査もこちらから思うように受けることが出来ない事が多いので、気になる事がある場合は渡航前に出来るだけ済ませておくことをお勧めします。

薬をもらう

カナダも日本と同じで医薬分業です。診察後に薬が必要であれば医師が処方箋を渡しますので、それを最寄りの薬局に持っていけば薬をくれます。常用している薬がある方は3か月分であれば渡航時にまとめて日本から持ってくることが出来ますので、事前に用意されることをお勧めします。現地でも同じ薬を処方することが可能な事もありますので、医師から英語での処方箋訳をもらっておくと役に立ちます。同じ薬が無い場合は、それに近い薬を処方してくれるかもしれません。どうしても日本の医師から処方された同じ薬を継続して欲しい場合、日本のご家族からカナダへ送って頂くことも可能ですが、薬の種類によっては海外郵送できなかったり、医師の診察無しでは処方できない、という事もありますので、渡航前に主治医に相談されることをお勧めします。

日本郵便からのカナダあて郵便物の送付について、こちらをご参照ください。https://www.post.japanpost.jp/int/use/canada.html

海外旅行者保険を利用する

海外旅行者保険を持っている場合、診察代と薬代は保険でカバーされます。ただし、病気であればその病気は持病ではなく、カナダで発症したものであることが一般的な条件です。日本出発前に引き始めた風邪などは、カバーされない可能性も高いです。また、ケガの場合、保険約款で適応対象外とされている危険を伴うスポーツやアクティビティーを行った場合のケガ(例えばバンジージャンプやスカイダイビング等)に関してはカバーされませんので注意が必要です。皆様それぞれお申込内容が異なり、カバーされる内容も異なります。必ず渡航前にお申込み内容をご確認ください。

保険の申請は、診察後に領収書と申請用紙を保険会社に送ると後日支払いが届きます。申請方法については各保険会社にご確認ください。

BC州の健康保険を利用する

現地の学校(大学・小中高)に長期で通う場合は州の保険加入が義務付けられています。これらの保険を持っている場合は、診察時に加入者カードを提示すれば診察は支払いが不要です。ただし、薬代は実費となります。また州の保険を持っている場合でも、歯科では使えませんのでご注意ください。

救急の利用

万が一急病、事故、または大きなケガをして今すぐ病院に行かなければいけない!と言うときは迷わず911に電話をして救急車を呼んでください。救急車で運ばれた場合、もちろん他の患者の状況にもよりますが、優先して診察を受けることができます。また、救急車を呼ぶほどではないが、急病やケガの場合、クリニックの営業時間外も総合病院の救急に行くことができます。こちらも大変混んでいることが多く、数時間待ちは当たり前です。総合病院の救急は24時間空いています。