最近、熊の出没のニュースをよく耳にします。
今日も生徒さんの一人が熊を間近で見たと教えてくれました。
そんな時に慌てず対処できるよう、事前にどう行動すべきかを知っておくことはとても大切です。

バーナビーやノースバンクーバー、トライシティなど、メトロバンクーバー周辺では
ブラックベアが人の生活圏に現れることがあります。
落ち着いて対応すれば多くの遭遇は安全に離れることができます。
ここでは高校留学中の皆さん向けに、通学・放課後でも実践しやすい対処法をまとめました。

なぜ今の時期にクマの目撃が増えるの?

  • 秋から初冬にかけて、冬ごもりに備えて大量に食べ物を探すため活動が活発になる。
  • 自然のベリーなどが減り、家庭ゴミや落ちた果実、ペットフード、BBQの油、ハロウィンのカボチャなど人間由来の強いにおいに引き寄せられやすい。
  • 沿岸部では冬ごもり入りが遅い個体もおり、条件によっては初冬まで活動することがある。

まずは「その場」での行動

  • 走らない・背中を見せない+クマを視界に入れたまま、ゆっくり後退して距離を取る
  • グループなら固まる
  • 建物や車などの物理的なバリアのある方向へ、落ち着いて退避する(ドアや車内に入れたら施錠)
  • クマが近づき続ける場合は、その場で体を大きく見せ、はっきりした声で話し、手をたたく・地面を踏むなどして存在を伝える(威嚇しすぎて追い立てない)
  • 傘・ジャケット・バックパック・自転車などを体の前に構えて、距離と視界をさえぎる“盾”として使う
  • バックパックは外さない(背面の保護になる)
  • 食べ物は見える所に出さない・与えない
  • 木に登らない。茂みに飛び込まない。視界を失う狭所に入らない。
  • 万一、接触・転倒させられた場合(都市部のブラックベア想定):顔・鼻先を狙って全力で反撃する(石・枝・ペン・スマホ等、手にある物を使う)
  • 安全が確保できたら、場所・時刻・頭数・行動(ゴミあさり等)をメモし、RAPP(1-877-952-7277/#7277)へ通報。学校・ホスト・担当にも共有する。

クマの様子で見分ける

  • 気づいていない/無関心:静かに来た道を戻る、または広く迂回
  • 気づいているが落ち着いている:ゆっくり後退+静かに声かけ。距離を広げる
  • 防御的サイン(うなり、地面を踏む、見せかけの突進):背を向けず、落ち着いた声で話しながらゆっくり後退。しゃがまない・走らない・石を投げない。万一接触しそうなら、バックパックや傘・自転車などを体の前に構えてバリアにする。実際に接触されたら、頭と首を守りつつ、都市部のブラックベアの場合は顔まわりに向けて全力で反撃する。
  • 近づく/ついて来る(しつこい接近):体を大きく見せ、はっきりした声で存在を伝えつつ、建物や車など物理的なバリアのある方向へ退避。ドアや車内に入れたら施錠する。バックパックは外さない。攻撃的に迫る場合は、手にある物(枝・石・傘・水筒など)を使って距離を保ち、必要なら反撃する。

遭遇後の連絡

  • BC Conservation Officer Service(RAPP)1-877-952-7277(24時間)・携帯 #7277・オンライン通報
  • 学校・ホストファミリー・担当コーディネーターにも共有し、当面はそのエリアを回避

再発防止(通学・放課後)

  • 複数人で行動。特に早朝・夕暮れは会話や手拍子で存在を知らせる
  • 食べ物・甘い飲料・ゴミを見える所に置かない。自宅や学校ではゴミのふたを確実に閉める
  • 藪やベリーの茂み、川沿いの小径は回避
  • ベアスプレー携行(取り出しやすい位置)

やってはいけないこと

  • 走って逃げる(追いかけられる可能性)
  • 木に登る(ブラックベアも登れます)
  • 「死んだふり」をする(この地域の多くはブラックベアで不適切)

 

クマに遭遇すると驚くのは当然です。ただ、遭遇自体は珍しいことではありません。
だからこそ、事前に正しい対処法を知り、準備しておくことが大切です。
万が一の時にも落ち着いて、適切に行動できるよう備えましょう。